良い波映像紹介シリーズ~海パンでチューブライディング
梅雨前線が発達するこの季節、私の住むエリアでは波が無い。
今年は特に波が無いように感じられる。波運悪く、胸サイズ以上になるのが平日なので、残念ながら海に入る時間が確保できない。仲間のサーファーから「今日、波良かったっすよ」なんて言われると羨ましい限りである。
そんなときは、良い波の映像を観て、心を癒す。
今回ピックアップした波乗り映像のテーマは、「海パンでチューブライディング」。日本でこのような状況になるのは非常に稀であるが、観ているだけでたまらない気分になるはずだ。
パーフェクトなメンタワイで海パンチューブ
良い波の宝庫として知られるインドネシアのスマトラ島。その西部にあるメンタワイ諸島は、無人島がたくさんありパーフェクトなチューブが多く出現することで知られる。
メンタワイの波は、マシンウェイブとはまさにこの事、非常に綺麗なブレイクが特徴である。上の動画はテレスコープ(Telescopes)というポイント(クリックで地図を表示)。世界有数の良い波が立つメンタワイの中でも、3本の指に入ると言われる上質なグーフィーの波である。
ちなみに、簡単に乗っているように見えるが、浅いリーフの上でブレイクするため、巻かれるとかなり危険である。
混雑だが良い波で海パンチューブ。クーランガッタ
オーストラリアのゴールドコースト、クーランガッタエリアの中で最も有名なブレイクといえば、この動画で収録されているスナッパーロックス(Snapper Rocks)である。
世界中のトッププロがタイトルを争うWSL(旧WCT)の第1戦の舞台であり、ミック・ファニングやジョエル・パーキンソンなど数々の名サーファーを育ててきたポイントでもある。
世界のビーチブレイクのなかでも有数の波質を誇るスナッパーだが、混雑が半端なく、スナッパーでサーフィンするとドロップインを必ず見かける。
また、世界中から凄腕のサーファーが集まるため、簡単に波をゲットすることはできない。
ライン上に他のサーファーがいたとしても、避けられない奴が悪いから轢いてでも乗るという考えのサーファーもいるため、怪我をしないよう注意が必要だ(筆者の知人はスナッパーで他のサーファーに轢かれ、足の腱をザックリ切るという怪我をしている)。
波質もサーファーのレベルも非常に高いため、観ている分には最高である。
南の楽園で海パンチューブ。タヒチ。
この動画は、タヒチの離島でのサーフィンを収録した動画で、最近海に入れていないビジネスマンサーファーに響くと思う。タヒチといえば、チョープーのヘビーなチューブの印象が強い。だが、この動画のように一般サーファーでも楽しめるサイズのコンパクトなチューブもある。
水が透き通っているので、海の底が丸見え。リーフで怪我をすることも多々ありそうだが、観ている分には最高のシチュエーションである。
素敵な女性と南の島で心ゆくまでサーフィン・・・疲れたら、島のビーチで一休み。都会の喧騒や混雑とは無縁の環境・・・嗚呼、サーフトリップに行きたいなぁ。
灼熱の太陽の元で海パンチューブ。プエルト・エスコンディード
ビーチブレイクにもかかわらず、メキシカンパイプラインともいわれるほど凄まじい波が訪れることで有名なプエルト・エスコンディードのシカテラ。その南端にあるラ・プンタという岬でブレイクする素晴らしいグーフィーの波がある。
この動画の序盤は詩的な語り口で南米の暮らしを写すシーンが中心だが、中盤からはお手頃サイズのラ・プンタセッションが収録されている。
基本的にはマニューバー中心の波質だが、チューブセクションもあり、距離も長く乗れるためグーフィーフッターにはたまらないポイントである。
灼熱の太陽に青い空。チューブにリップにエアリアル、何でもできる波に乗って、その後はコロナ・ビールを飲もう。人生のなかで素晴らしい思い出のひとつとなることは間違いないだろう。
聖地で海パンチューブ。ハワイ
最後に紹介したいのは、皆さんご存知、聖地オワフ島パイプラインの動画で。2017 Volcom Pipe Proの映像である。
西高東低が決まった冬の日本で発生した低気圧から生まれたうねりがハワイのノースショアに到達し、凄まじい水量で浅いリーフにヒットしてブレイクする波は、世界中のサーファーから聖地として認識されるものである。
ブレイクポイントは極めて浅く、波に巻かれると海底のリーフが体や頭が岩にヒットし即死する可能性もある。毎年少なくとも必ず一人は亡くなるというブレイクで、Owen Wrigtht(オーウェン・ライト)がパイプラインでフリーサーフィン中にワイプアウトで頭をリーフにヒットさせてしまい、脳出血により後遺症が残るほどの怪我をしたことは記憶に新しい(今年のWSLで見事にカムバックを果たしたが!)。
波に恵まれなかった大会とは言われているもののケリーにジョンジョン、ブルースがダイナミックな波にチューブイン。もちろんバックドアもあり。やっぱ、ハワイは綺麗だなぁ。バックミュージックを聴きながらトップサーファーの海パンチューブを観ていると、「ヒャッホー!」という気分になる。
聖地での海パンチューブは、サーファーなら一度は夢見る究極のシチュエーションである。
おわりに
いかがだろうか?記事を読んでくださった方のサーフィンに行けないストレスが、少しだけ軽減されると幸いである。
でも、やっぱり観ているだけだと物足りない。膝波でも関係ない。パソコンの前から離れてサーフィンに行こう!
皆さん、良い波に乗れますように。では。
著者プロフィール
Written by Jan
九州在住。サーフィン歴23年。
世界のさまざまなポイントでサーフィンすることを夢見る週末サーファー。