波乗りに関すること色々。

Jordy Smith(ジョディ・スミス) プロフィール

サーファー特集

名前:ジョディ・スミス(Jordy Smith)
生年月日:1988年2月11日
出身:南アフリカ共和国 ダーバン
身長:190cm
スタンス:レギュラーフッター

私がジョディ・スミスというサーファーをはっきりと認識したのは、2009年にリリースされたサーフムービー「Modern Collective」(テイラー・スティールがプロデュース、カイ・ネヴィルがディレクターを務めた)でのアーリーウープ(ALLEY-OOP)シーンである。

※アーリーウープとは、波のリップから飛び出し、空中で360°回転するマニューバーのこと。レギュラーフッターのフロントサイドアーリーウープの場合、時計回りに回転する。上の動画では、ジョディがチューブを抜けた後、特大のアーリーウープをメイクしている。

Modern Collectiveに出演していたサーファーはいずれもトップランクの技量を持っていたが、その中でもジョディの技の完成度は高く、すぐにWCTツアーの上位に食い込む実力があることが見て取れた。

この記事では、筆者のお気に入りサーファーの一人、ジョディ・スミスのプロフィールを紹介する。

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サーフィンとの出会いからWCTクオリファイまで

ジョディ・スミスは、ショーン・トムソンやマーティン・ポッターと同じ南アフリカ出身のプロサーファーである。王者ケリー・スレーターと同じ誕生日に生まれ、2~3歳のときに父に連れられて、ダーバンのAddington Beach(下の動画参照)でサーフィンを始めた。初めて波に乗った時、腕に浮輪を付けた状態だった。

ジョディは海から車で20分ほど内陸側にあるUmbiloという低所得者層が多いエリアで育った。治安も悪く、日が沈んでから出歩くのは非常に危険だったという。以下の動画の冒頭では、ジョディが育ったエリアが紹介されている。

学校は海から離れる方向にあり、通学に30分、そして家から海に行くのに20分かかるため、平日にサーフィンの時間を取ることは稀であった。

サーフィンができない平日は、サッカーをするためにフィールド上でほとんどの時間を過ごしていた。また、スケートボードでサーフィンのエアリアルの動きを練習していた。そして週末は、平日にサーフィンの時間が取れない分、一日中サーフィンをしていた。最初のうちは、ダーバンのサーファーの中でよそ者として扱われていたが、動じずに黙々と練習していたという。

「自分が何を求めているか、常に分かっていたよ。両親はあまり裕福でなかったから、それを抜け出すにはビッグになること、そしてそのために唯一必要なことは、多くの時間を費やすことだと知っていたんだ。」とジョディは語る。

ケリー・スレーターやアンディ・アイアンズ、ジョエル・パーキンソン達プロサーファーのライフスタイルを見て、そのようになりたいと夢見ていたという。

父のGrahamは南アフリカでlostサーフボードのライセンスを保有するシェイパーであったことから、上級サーファーのサーフィンを見る機会が多くあった。それらのサーファーが繰り出す高度なエアリアルを真似することで、ジョディは多彩なエアリアルを習得していった。以下の動画は、ジョディのトレードマークである、ロデオ・フリップというエアリアルを収録している。

Grahamはジョディに「自分が優れていると思うな。より貪欲なキッズは常にいるものだ。一番になれると思うな。常に挑戦しつづけろ。」と言い、ジョディは幼少の頃からその言葉を心に抱いて過ごしたと語っている。

また、ジョディの他にもトラビス・ロギー(Travis Logie)を始め、ダーバンには多くの才能あるジュニアサーファーがおり、競いあって過ごしたことがとても良かったとコメントしている。

ジョディは2003年ダーバンで開催されたQuiksilver ISA世界選手権のアンダー16のジュニア部門で優勝し、それをきっかけに注目を集めるようになった。その大会のヒート中のことを、ジョディはこう語っている。「ピア(桟橋)に沿ってパドルアウトすると、すぐに良い波が来てテイクオフした。ターンを4回決めた結果、10ポイント満点中8.3ポイントを得たんだ。その時、サーフィンが自分の人生になることを確信したよ。」

その後WQS(世界トップリーグであるWSL(旧WCT)の2次リーグで、世界各地でコンテストが行われる)を回るようになった。

ランキング200位からスタートしたが、結果2006年ジョディが18歳のとき、WQSで最もグレードの高いVans Triple Crownにおいて、ハレイワとサンセットで好成績をおさめることでRookie of the Yearを受賞し、WQSで26位にランクインした。また、ASPジュニアチャンピオンにも輝き、南アフリカのSurfer of the Year賞を受賞している。

そして2007年にはWQSで首位となり、翌年のWCTに参加する資格を得た

※WQSを回るサーファーは、コンテストの結果およびグレードに応じてポイントを獲得する仕組みとなっており、年間で獲得したポイントが上位のサーファーはWSL(旧WCT)に参加する権利を得る。WQSランキングについてはこちらのページを参照いただきたい。

WSLにおける略歴

WCT(現WSL)における最初の数年間は、戸惑いの連続だったという。これまでメディアによる露出がほとんど無かったサーファーが、突如として世界タイトルに対する周囲のプレッシャーにさらされ、メインスポンサーの選択や交渉、不慣れなツアー生活に対応しなければならなくなったわけである。

ケリー・スレーターは自身の経験からワールドツアーについて以下のように語っている。「二十歳前後の若者が、ロックスターのように祀り上げられ、周囲から多くの誘惑があるこのツアーでは、きちんとしたベースがなければ簡単に道を誤ってしまうだろう。」

そのような中でもジョディはいくつか良い結果を出し、ツアー初年の順位は26位、二年目の2009年は11位でフィニッシュしている。メインスポンサーはナイキと O’Neill(オニールウェットスーツ)からオファーがあったが、オニールの年間200万ドルのオファーを選択した。

3年目の2010年、ジョディは母国の南アフリカで開催されたツアー4戦目のBillabong Pro Jeffreys Bayで優勝した。ファイナルヒートではブブゼラが鳴りやまないほど盛り上がり(対戦相手のAdam Mellingにとっては、嫌なプレッシャーだったと思う)、最高峰の南アフリカ出身サーファーとしてサーフィン界に大きな印象を与えた。

J-Bayでの優勝によってランキングもトップとなったが、J-Bay以降はケリー・スレーターが圧倒的な強さを発揮し、第6戦のHurley Pro Trestlesを優勝、続くフランスで2位、ポルトガルで優勝、プエルトリコで優勝という結果を出した。結果ケリーが前人未踏の10度目のワールドタイトルを獲得、ジョディの2010年の通算は2位で終わった。

2011年に南アフリカ出身のモデルLyndall Jarvisと交際を始めたが、そこからツアーの成績がふるわず、最終的に2011年は7位、2012年は一度も決勝に残ることができず12位で終わった。

2013年は盛り返し、ブラジルで開催されたBillabong Rio Proで優勝しその年のランキングは4位、2014年はHurley Pro Trestleで優勝し、7位でその年を終えた。

また、同年ジョディはそれまで拠点としていた南アフリカから、カリフォルニアのSan Clementeに移住した(飛行機での移動に時間がかかりすぎることと、スポンサーがアメリカにあることが理由)。

2014年はジョディがLyndallと結婚した年でもあるが、年末にパイプラインで腕の怪我を負い、そのすぐあとに西オーストラリアでフリーサーフィン中に膝の半月板を負傷、7月にはJ-Bay Openで背中を痛め、2015年のほとんどの試合を怪我で欠場した。

2016年は第2戦Rip Curl Pro Bells Beachで2位、第8戦Hurley Pro at Trestlesで優勝し、この年の通算は2位、さらに今年(2017年)はRip Curl Pro Bells Beachで優勝しており、8月末時点で首位を走っているため、念願のワールドタイトル獲得も大いに期待できる。

皆同じ印象を持つと思うが、体の大きいジョディにとって、J-BayやBells Beachのように広いフェイスで大きなマニューバーを描ける波は非常に相性が良いと思う。

使用サーフボードやスポンサー

昔はJSのボードに乗っていたと記憶しているが、近年はアルメリックのボードに乗っている。長さは6’2〜6’3と身長と同じ程度、幅が19インチ弱、厚みは2 1/2で、大柄な体格であることから他のトッププロに比べるとかなりボリュームのある板に乗っている。

シグネチャーモデルはBunny-Chowで、Bunny-Chowとは南アフリカの伝統的料理の名前で、厚切りパンの中をくり抜いて、その中にカレーを入れた庶民的なものである(写真)。筆者の知人が本人使用ボードに触れたことがあるそうだが、レールがかなりパンパンだったそうだ。

なお、ジョディはメインスポンサーであるRed BullとO’Neillのオニールの基本契約金100万ドルに加え、約100万ドルのインセンティブを獲得している。また他のスポンサーから総額約50万ドルを得ているため、スポンサーから得ている金額はワールドツアーサーファーの中でも有数だ。サングラスのOakley、サーフボードはチャネル・アイランズ(Al Merrick)、フィンのfutures等と契約している。また、GPSサーフィン会社のTraceや、サーフブランド以外でもシューズ会社Brand Blackと契約を結んでいる。実力も収入もツアートップクラスであり、あとはワールドタイトルを獲得するのみ。今後の活躍が大いに期待できるサーファーである。

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