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アル・メリック【 ニューフライヤー(New Flyer)】の感想

アルメリック

ニュー・フライヤー(New Flyer)は、アル・メリック(チャネルアイランズ)の2013年モデルであり、1999年モデルのフライヤー(Flyer)の進化版である。

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元となった「フライヤー(Flyer)」モデルについて

フライヤーは、1999年から2009年のアル・メリックのモデルのなかでベストセラーとなったモデルである。小波からミドルサイズの波でも、通常のショートボードと同じ乗り味が味わえるよう設計されており、いわゆる普通のパフォーマンスボードよりも2~3インチ短く、1/4インチから1/2インチほど幅広のサイズが推奨されている。

フライヤーが発売された当時は、厚みがなく幅の狭いボード(いわゆる「ポテトチップス」ボード)が全盛であったが、フライヤーはポテトチップスボードと比べると厚みがあり、ぼってりした印象である。

ちなみに、フライヤーには1と2があり、ニュー・フライヤーの元となったのはフライヤー1のほうである。

ニュー・フライヤーのコンセプト

さて、フライヤーの進化版であるニューフライヤーは、フライヤーをさらに短く、より幅広にしたアウトラインをもつ。フライヤーよりも短いレールラインであるものの、ボリュームはフライヤーと同等となるよう設計されている。

ニューフライヤーの特徴として挙げられるのは、2ステージロッカーである。スピードを付けるためのセンターロッカーはフラット気味に、コントロール性能に関わるノーズとテールエリアのロッカーはやや強めに、といった形で、役割を分けたロッカー形状になっている。

なお、ボードのセンター付近は「プレーニングエリア」と呼ばれており、基本的にこのエリアはあまり強いロッカーをつけることは少なく、非常に緩やかな曲線である場合がほとんどである。ニューフライヤーの場合は、プレーニングエリアとその他のエリアのロッカーのメリハリが強いということになる。

強めのノーズロッカーは、より切り立った波においてもコントロールを容易にし、フラットなセンターロッカーによってマッシーなセクションも超えやすくなり、強めのテールロッカーによって回転性を上げるデザインとなっている。また、通称「Merrick hip(メリックヒップ)」と呼ばれるテールの絞り込み(バンプ)形状は、フライヤーよりも強調されており、よりクイックなターンができるよう設計されている。さらに、レールの切り替えをしやすくするために、ボトムのフロントフィン位置から強めのVee※1が追加されている。

※1…Veeとは、サーフボードをひっくり返して(フィンを上にして)見たとき、ストリンガーあたりを頂点として盛り上がっている形状のことである(以下の動画の1:26あたりを見てほしい)。

Vee形状は、オーストラリアのシェイパーであるBob McTavishによって、1967年に導入された。基本的な効果としては、ボトムに入ってきた水流をVEEによって左右に分散させるため、揚力が減ってスピードが落ちるが、Veeの凸を起点にどちらかに傾きやすくなる=レールの切り替えがしやすくなるため、ターンが容易になるという特徴がある(断面図はこちらをクリック)。

近年の小波用ボードではVeeをテールエリアの狭い範囲にわずかに入れることによって、スピードをほとんど落とさずにテールのコントロール性能を上げる設計になっている場合が多い。

ニュー・フライヤーに乗った感想

まず、筆者や仲間のサーファーで共通する意見として出るのが、「癖が無い」ということ。良く言えば「馴染みやすい」「乗りやすい」「万能選手」、悪く言えば「面白くない」「特徴が無い」「物足りない」などといった感想が多い。

理由としては、テイクオフ性能とコントロール性能が、どちらに偏るでなく非常に良いバランスだからである。

まずパドリングだが、ノーズにボリュームのあるボッテリ系ボードに比べるとやや遅いが、先がとがったボードにしてはまずまずといった印象である。

また、テイクオフの走り出しがかなり早く、ワンテンポ早めにライディングを開始できる印象である。タルめの波でも、速めの波でも、いつもより早くテイクオフができるのでライディングに余裕ができるのが魅力だ。日本の波に似たコンディションのニューフライヤーのライディング動画があるので、ご参考としていただけると幸いである。

リッピングもそこそこやりやすいし、カットバックなどの際のレールの切り替えも比較的しやすい。全てにおいて及第点といった感じである。が、そこが「面白くない」「特徴が無い」「物足りない」といわれる所以でもあり、「もう少し、際どく攻めたい」「もっとキレを出したい」というときに板がついてこない(反応が悪い)印象を受けるかもしれない。

ということで、ニューフライヤーは初心者~中級者にとっては、どんなコンディションでも頼れる最高のボードとしてお勧めできる。が、マニューバーのキレを重視する中上級者に対しては、ニューフライヤーをオーダーする際にボードのサイズやテール形状を工夫するか、もしくは他のパフォーマンス寄りのモデルをお勧めしたい。筆者は5’10でオーダーしたが(万年中級おっさんサーファー・体重70kg)、もう2インチほど短くオーダーしても良かったと思っている。

なおニューフライヤーは、世界的に売れたモデルで、PU以外にもサーフテックなど様々な素材の選択肢がある。サーフテックバージョンは耐久性が高いので、ボードのクラッシュを心配することなくマニューバーの練習ができるのが長所だ。

ただ、PUに比べるとフレックスが無いため、その手の感触が苦手な人にはお勧めできない。また、サーフテックは決まったサイズしかないため、長さや幅などを細かく指定したい人は、サーフテック以外の素材を選ぶとよろしいかと思う。

以下の動画で、ケリー・スレーターのそっくりさん、ノエル氏がニューフライヤーの乗り味を解説しているので参考にどうぞ。

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