波乗りに関すること色々。

アル・メリック(チャネルアイランズ)のグラッシング種類

アルメリック

サーフボードの性能を大きく左右するのがグラッシング(ラミネート)工程である。アル・メリック(チャネルアイランズ)のサーフボードには、グラッシングにいくつかの種類があり※1、どのような違いがあるのか、説明する。

※1・・・ポリウレタン(PU)ブランクスを使用する場合のグラッシングについての説明です。EPSやXTR等の新素材については別記事をどうぞ。

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そもそもグラッシング(ラミネート)とは?

ガラス繊維を布状に織り込んだガラスクロスは、ポリエステルなどの樹脂を強化する場合に広く用いられている。サーフボードにおいても、シェイプ工程が終わったブランクス(フォーム)を補強するために、ガラスクロスを巻きつけて、ポリエステルレジン(樹脂)で固める工程がある。この工程をグラッシング(ラミネート)という。

ガラスクロスにも様々な種類があり、どのようなガラスクロスをどのように巻くによって、完成したサーフボードの重さや強度、フレックス性が変わる。ガラスクロスには、編み方(番手)や重さ(オンス:OZ)などで様々な種類があり、一般的に重さが上がれば強度が上がる。

また、使用されるガラス繊維にも種類があり、このうちEガラス繊維を使用したガラスクロス(通称Eクロス)は、サーフボードにも広くに使われているタイプであり、単にガラスクロスと言う場合はほとんどEガラス繊維を使ったものをさす。

Eクロスの他には、Sガラス繊維を使用したガラスクロス(通称Sクロス)があり、Eガラスよりも引張り強度が約3割高く、弾性率は約2割高い。そのため、Sクロスで巻いたサーフボードは、Eクロスで同じ巻き方をしたものよりも凹みや折れに強くなるが、価格が高くなるのが短所である。

アルメリックのグラッシング(ラミネート)の種類

以下にアル・メリックのグラッシングについて、種類別に記載してみたので、購入の際の参考としていただけると幸いである。

ULTRA LIGHT(ディケール外観はこちらをクリック。「UL」と表記される場合もある)

4OZのEクロスをデッキ面に2枚、ボトム面にはEクロスを1枚巻いてある仕様である。通常お店に置かれているボードや、工場のストックボードはおもにこの仕様となっている。強度や扱いやすさの点で最もバランスが良い仕様なので、一般的なサイクルでボードを購入するサーファーはこのULTRA LIGHTもしくは下記のSTANDARD仕様を選ぶとよい。

TEAM LIGHT(ディケール外観はこちらをクリック。「TL」と表記される場合もある)

4OZのEクロスをデッキ面に2枚、4OZのEクロスをボトム面に1枚の仕様で、巻きの枚数はULTRA LIGHTとかわらないが、デッキ面の2枚目のクロスは3/4の面積※2となっている。TEAM LIGHTは、ノーズ側の重さが若干軽く仕上がるため、同じモデルのULTRA LIGHTと比べると、若干ではあるが、小波でターンが軽快かつタイトに行える印象がある。経済的に余裕があり、一年程で乗り換えるサーファーはTEAM LIGHTを選ぶのもよろしいかと思う。こちらのTEAM LIGHTは、カスタムオーダーする際のみ選択可能である。
※2・・・3/4の面積となっているガラスクロスは、Vパッチともよばれる。

TEAM LIGHT【S-cloth】(ディケール外観はこちらをクリック。「TL」と表記される場合もある)

Sクロスを使用した1層巻きのTEAM LIGHTである。4OZのSクロスをデッキ面に1枚のみ、4OZのEクロスをボトム面に1枚巻いた仕様である。
強度の面、特に縦の衝撃に弱く、例えばチューブ内でつぶされたときなどは簡単にノーズが折れるし、デッキも簡単に凹む。数セッションもすれば、デッキはそれなりに凹みが目立つほどである。

WSL(旧ASP)のワールドツアーに出るようなトップサーファーの中には、この仕様を好んで使う選手も多いが、ヒート(試合)中にボードが折れてしまうことも珍しくない。

しかしながら、小波におけるボードのレスポンスは最高なので、簡単に板を振り回せる。また、硬いエポキシ樹脂でラミネートした軽量ボードと異なり、適度な柔らかさがあるため、乗り味としてはこの仕様が一番好みである(筆者個人の感想)。耐久性やコストは度外視で、小波で軽快な乗り味を試してみたいのであれば、Sクロスを使用した1層巻きをチョイスするのもよろしいかと思う。

Rookie や Protonモデルのストックボードや、カスタムオーダーにおいて指定することができる。

STANDARD(ディケール外観はこちらをクリック。「S」と表記される場合もある)

長さが6’5以上7’2未満のすべてのショートボードに標準装備の仕様である。6’5未満のボードについてはカスタムオーダーのみ適用できる。
まず4OZクロスよりも目が粗く重い6OZのEクロスをデッキ面に1枚、さらに4OZのEクロスをデッキ面に1枚、ボトム面には4OZクロスを1枚巻いた仕様である。
重量はそれなりになるが、耐久性は高い。サーフボードを長く使いたい人や、グライド感※3を求める人はこの仕様にしてもよろしいかと思う。

※3…ボードが波の斜面をスムーズに滑走する感覚をグライド感と表現する。

GUN GLASS(ディケール外観はこちらをクリック。「G」と表記される場合もある)

6OZのEクロスをデッキ面に1枚、4OZのEクロスをデッキ面に1枚、6OZクロスをボトム面に1枚巻いた仕様であり、アル・メリック(チャネルアイランズ)のグラッシング中で最も重く、強度が高い。すべてのガン※4と、7’2以上のショートボードに標準装備されている。
※4・・・ビッグウェイブ用のサーフボード。通常のサーフボードよりも比較的長く、ピンテイルと呼ばれるテイルデザインが施されているものが多い。

結局、どのグラッシングを選べばよいのか

グラッシングの好みは人それぞれで、スタイルや波によっても向き不向きがある。また、重いからダメというわけではないし、頑丈だから良いというわけでもない。

通常のチャネルアイランズサーフボードを購入する際に、どのグラッシングにするか悩ましい場合は、標準のULTRA LIGHTにすることをお勧めする。

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