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ジョン・ジョン・フローレンスのサーフボードについて

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世界で最もサーフィンが上手いのは?と聞かれると、ジョン・ジョン・フローレンス(John John Florence)であると答えるサーファーも多いのではないだろうか。筆者も、競技としてのショートボードサーフィンにおいて、いま最も勢いがあるのは、ジョン・ジョン・フローレンスであると思う。

昨年2016年は競技サーフィンとして最高峰のWSLの世界タイトルを獲得、さらには最も権威のあるビッグウェーブイベント Quiksilver in Memory of Eddie Aikau(エディ・アイカウ)で優勝。あらゆるコンディションで最高のパフォーマンスを発揮するジョン・ジョンだが、そのサーフボードにはどのような特徴があるのだろうか?

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パイゼル・サーフボード(Pyzel surfboard)

ジョン・ジョンはハワイのホノルルで生まれ、サーフィンを本格的にスタートしたのは5歳のころ。そのころから今に至るまでの約19年間、ジョン・ジョンのサーフボードをシェイプするのは、サンタバーバラの出身ハワイ在住のジョン・パイゼル氏だ。

パイゼル氏は、ジョン・ジョンの実家から歩いてすぐのところに住んでおり、ジョン・ジョンの革新的なマニューバーを長きにわたって支えてきたが、そのパイゼル氏がジョン・ジョンのボードをシェイプする場合、まずはジョン・ジョンがサーフィンするところを見てから、彼のサーフボードにどのような改善を加えるべきか確認するそうだ。

幼少のころから長い間、ジョン・ジョンからフィードバックを得ることなく、パイゼル氏だけのアイデアをボードに盛り込んでいくスタイルだったそうだ。素晴らしいテクニックを持つライダーでも、サーフボードのデザインがどのように機能に影響を与えるのか説明するのは難しいからである。

しかし、近年は、ジョン・ジョンのボードに対する感性が非常によくなってきたという。たとえ同じデザインのレプリカであったとしても、ライディングを通じてわずかな違いを感じ取るようになったとのこと。そのため、パイゼル氏もジョン・ジョンからのフィードバックを積極的に取り入れるようになった。パイゼル氏とジョン・ジョンが一緒にサーフィンするときは、時にボードを交換して、どのような違いがあるか聞くこともあるそうだ。

ジョン・ジョンは、細かいフィーリングの違いも感じ取るが、長さや幅、厚みを数字で指定することは無いそうだ。あくまで、フィーリングを重要視しており、ジョン・ジョンが感じた違和感に対してボードを調整するというスタイルをとるとのこと。

ジョン・ジョンがサーフボードを選ぶ基準

ジョン・ジョンは、試合用とフリーサーフ用でサーフボードを分けることが多い。自分の思い通りのパフォーマンスが実現できるような、いわゆるマジックボードはフリーサーフィンではほぼ使わない。試合前のウォームアップにおけるフリーサーフィンでは試合用のボードを使うが、それ以外のフリーサーフィンでは、楽しさや気持ちよさを優先させてボードを選ぶそうだ。

反対に、試合ではフリーサーフィン用のサーフボードは一切使わない。ジョン・ジョンはボードに対してマジックボードと呼ぶことは滅多にないため、時にそれはマジックボードではないのかもしれないが、ジョン・ジョンが試合で使っているのは、良いフィーリングを感じているボードであり、信頼しているものである。

ジョン・ジョンがボードを選ぶときは、何か決まった基準や戦略があるわけではなく、各イベントの前に別々のボードを試してみて、一番気に入ったものを使うというやり方のようだ。ある大会のためにシェイプしたボードが、別の大会で使われるといったこともよくあるそうだ。

ジョン・ジョンのサーフボードの特徴

パイゼル氏によると、ジョン・ジョンのボードは以下のような特徴があるとのこと。

「今のジョン・ジョンの身長は6’1(185cm)で、体重は80kgくらい。また、ライディング中のスタンスが狭いんだ。同じくらいの身長の他のサーファーよりも、幅狭なボードを好む傾向があるね。長さとしては、6’0か6’1が多いね。ちなみに、フィンはFUTURE FINで、ジョン・ジョンのサーフィンに本当によく適合している。」

「ワイメアやジョーズ、その他アウターリーフのビッグウェーブで使うのは、9’0”以上の長さだよ。狙った波をキャッチできるように、幅広で厚さを持たせている。基本的にはクワッドだね。」

「ジョン・ジョンが使うボード素材は、他のほとんどのWSLサーファーと同じようにPU素材だよ。ブランクス(芯材)はArctic Foamで、軽いけど頑丈で破損しにくい。ジョン・ジョンもArctic Foamのフィーリングが気に入っているので、それ以外のブランクスを使ってシェイプするときは、事前に伝えることにしている。」

「デザインも他のトップサーファーとほとんど変わらないけど、強いて違いを言うなら、ボリュームが少ないということと、レールが薄いということだね。あと、彼のボードを見ると、ノーズから足一つ分あたりの位置のデッキ面が変な形になっている。これは、エアリアルの着地の際、足が前の方にいくからだね。彼のボードの場合、ここがよく壊れるんだよ。」

最新モデルの紹介

以下にPyzelサーフボードの最新モデルを紹介するので、ニューボードを検討中の方は参考にしていただきたい。

RADIUS :ジョン・ジョンの2016年のワールドタイトル獲得に貢献したBastardモデルを最新仕様にチューンナップしたモデル。2017 STAB IN THE DARKで、ジョディ・スミスに選ばれたモデルでもある。ミディアム~ハイロッカーで楽なターンを実現し、シングルコンケーブによって揚力とドライブが生み出される。中級者~プロ向け。

世界トップシェイパー達と、1人のトップサーファーが実施する「ボードテスト」企画。シェイパーは、身長+体重だけを知らされ、ライダーが誰かは不明のままボードを制作する。ライダーとなるトップサーファーは、ブランドが分からないようになっているボードを乗り比べ、最もフィーリングが良いものを選ぶ。

VOYAGER 1:2017年のワールドツアーに際し、ジョン・ジョンの小波用ボードとして開発されたモデル。多くのテストや調整が繰り返された結果やっと完成したモデルであり、波のパワーが弱く、タルい場合でもスピードやフローが得られるように作られている。1977年にNASAが打ち上げたVOYAGER 1(ボイジャー1号)にちなんで、モデル名がつけられた。

シングルコンケーブがボトム全体にわたって施されており、波のパワーが無い場合でもスピードがキープできるような設計となっている。

THE GHOST:あらゆるコンディションに対応するモデルとして、ジョン・ジョンお気に入りのモデル。ジョン・ジョンの印象的なシーンである、マーガレット・リバーでの優勝や、ベルズ・ビーチでのアーリーウープ、J-Bayでのカービングはこのボードでメイクされた。もともとは、ホローでパワフルな波質に対して設計されたモデルで、シャローなリーフポイントや底ぼれするようなビーチブレイク、ポイントブレイクにも適している。

センターより前方に最も幅広なエリアがあり、前方のロッカーは抑え目。回転性を出すため、テールロッカーはやや強めについている。

まとめ

今年もワールド・タイトルの期待がかかるジョン・ジョン・フローレンス。その彼が信頼のおけるサーフボードは、優れたシェイパーによって生み出される。パイゼル氏とジョン・ジョンのコンビによって、今後も多くの素晴らしいパフォーマンスが見られるのが楽しみである。

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